せきぐちの議会報告

せきぐち正人  暖かかった10月が終わり、短い秋を迎えましたが、市民の皆様にはいかがお 過ごしでしようか。緊急事態宣言の期間が終わり、ワクチンの接種も進んでい ますが、大変苦しい状況に置かれている市民や事業者の皆様が多数おられると 認識しています。人の動きが活発化する中、感染対策防止、第六波に備えた医 療検査体制のさらなる充実とともに、社会経済活動の活性化のため、必要な取 り組みについて、今後とも県に強く働きかけてまいります。
 さて、私せきぐち正人は、県議会において、10月の令和2年度決算特別委 員会の委員となりました。初日の財政状況についての審議でトップバンターで 60分間の質疑を行いました。
 決算特別委員会では、この他4つの部局を含め、計30の質問を行いましたが、本レポートではまず財政状況の質問と答弁の ボイントをご報告させていただきます。県議会のサイトでも録画を視聴できますので、ご確認いただければ幸甚です。 引き続き、私の活動と県の動きを市民の皆様に出来る限りお伝えしてい(とともに、市民の皆様のご意見を最大限 に反映させた議員活動が行えるよう、県政への能動的な働きかけを続けてまいります。ご意見ご要望等がございま したら、お気軽にご連絡いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。


●決算特別委員会<財政状況>での私の質問に対する回答

1.本県の経済傾向と今後の見通しについて

関口

  新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい経済・雇用情勢が続いている。個人消費は緊急事態宣言下でもマイナス成長を回避したが、コ口禍前の水準には至っていない。雇用環境も本県の有効求人倍率が昨年の7月以降1倍を割り込むなど厳しい状況にある。ワクチン接種が進展し、10月からは緊急事態宣言も解除され、経済活動が再会し始めている一方で、第六波や変異株の拡がりに対する懸念がある。そこで、令和2年度の本県経済の勤向、新型コロナウイルス感染症の影響による足下の経済勤向、今後の見通しについて伺う。

当局く産業労働部>

  令和2年度の県内実質CPDは20兆円、前年度比2.6%誠で県経済は厳しい状況となった。外出自粛の影響等による個人消費の低迷が大きな要因でおる。生産も減少したが、外需に牽引され、後半にかけて持ち直しの動きも見られた。業種別では、飲食・宿泊サービスを中心とした非製造業、規模別でも中小企業は大企業と比べ厳しいなどニ極化の動きとなっている。
ワクチン接種が進み、緊急事態宣言は解除された。今後は人の流れが増加していくことから、感染防止対策の強化を図り、企業の事業継続を下支えし、地域経済を回復軌道に乗せていく。


2.令和2 年度の決算の評価について

関口

  令和2年度は、新型コロナウイルス感染症により未曽有の影響を受けた。その結果令和2年度の一般会計の歳出総額は2兆5.636億円、歳入総額は2兆5,736億円となり、新型コロナウイルス感染症対策経費の増により過去最大規模となった。新型コロナウイルス感染症の影響による本県の厳しい経済・雇用情勢の中、今後とも震災関連県債や財源対策債の償還が続くなど、本県の行財政運営はなお厳しい状況にあると考える。この結果を受け、令和2年度決済についてどのように評価しているのか。

当局く財政課>

  令和2年度は、新型コロナウイルス感染症対策として、医療・検査体制の充実や感染防止対策の実施、事業者や生活困窮者への支援強化等に取り組む一方、企業業績悪化や民間消費の低下により、県税収入が当初予算を大幅に割り込む見込みが生じた。このため、年度途中での事業見直しや事務的経費のさらなる節減による歳出削減を行うとともに、本県が国に強く要望したことを契機に新設された特別減収対策債等による財源確保に取り組んだ。今後、行財政運営方針の見直しの中で、スクラップ・アンド・ビルドの徹底による事業の選択と集中や自主財源の確保などの歳入歳出改革を図り、持続可能は行財政基盤を保持し、躍動する兵庫の実現に取り組む。


3.令和2年度の新型コロナウイルス感染症対策に関する歳入と歳出について

関口

  新型コロナウイルス感染症対策に対しては、令和2年度に計7回補正予算が組まれ、その結果新型コロナウイルス感染症対策経費に、7,493億円もの金額が費やされた。最終的に令和2年度の新型コロナウイルス感染症対策に要した経費の財源の内訳、及て そのうち県の持ち出しとなる負担額といえるものはいくらなのか。

当局<財政課・産業労働部>

  財源内訳については、 国庫は2,274億円、中小企業制度資金の貸付金が入部分を占 のめる特定財源が5,211億円、起債が4,400万円、 一般財源が7億7千万円となってい る。起債については、その相当額を別途交付金で措置され、実質的な県負債とはなら ない。これらの結果、県の実質的な一般財源負担は約8.000万円程度となり、コロナ禍の厳しい経済状況の下、可能な限り、県負担の軽減に努めてきた。

関口

  コロナ対策経費として予算計上した金額は、感染拡大防止やコ口ナ禍に苦しんでいる地域経済の活性化等のために、可能な限り年度内に使い切るべきだと考えられるが、令和2年度における新型コロナウイルス感染症対策経費全体のうち、不用額はいくらだったのか、また、特に不用額が入きかった事業の事業概要と不用となった理由を伺う。

当局<財政課・産業労働部>

  不用額は総額で約247億円となった。主な事業として、入院病床確保のたのの空床 補償で約41億円、医療及び介護従事者等への慰労金支給で約56億円、社会福祉施設に 対する夢染防止に係る衛生資材等の支援で約27億円が挙げられる。これらは対象 となる施設や経費等を可能な限り精査し、直近実績等を踏まえて計上したが、状況変 化や実績減などにより不用額が生じた。

関口

  国から概算交付を受けた新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金等について実繊減が生じ、翌令和3年度に精算することとなり、令和2年度の決算では収入になったが、この点は令和2年度の決算にどのような影響を与えたのか。

当局<財政課・産業労働部>

  新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金等については令和2年慶国から概算交付を受けたが、実績減により過剰受入となった。 過剰受入分は令和3年度に精算し、返還するが、令和2年度は収入となる。令和2年度決算で徴収猶予特例債の発行 を取りやめ、この受入過剰額を活用した結果、実質収支は前年度並みの2,300万円と???????なった。

関口

  新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中小企業等の資金繰り支援として、過云最大の融資枠の確保などが行われ、その結果として1兆円超の融資が実行された。中小企業等が、 今後、中長期的には業況を回復し、発展することが期待されるが、貸付金の回収が困難になるリスクも予想され、県としても信用保証協会への損失補償が多憩に上ることが懸念される令和2年度の融資実績と県の損失補償額の見通しについてどのように考えているのか。

当局<財政課・産業労働部>

  令和2年度の融資実績は、リーマンショックの影響のあった平成20年度の融資実績4,846億円の約2.3倍となる過去最高の1兆1,045億円に達した。この制度融資や協力金等の支援 効果により、県内の倒産件数も足下では抑制され、中小企業の事業継続に一定の下支え効果があったと評価している。本年度の損失補償額の見込みについては、令和2年度決算額3億6,600万円より少なくなると見込んでいる。今後、コロナ禍の長期化・深刻化により、返済に窮する中小企業が増加することを危倶しており、今後の状況を注視していきたい。

4.投資経費について

関口

  令和2年度決算において、投資的経費は2.523億円で対前年度比245億円の増、110.3%となった。投資的経費の過去10年の推移を見ると、令和2年度の金額は大きく増えているが、令和2年度の投資的経費はどのような要因により対前年度で増減し、どの分野にどういう方針に基づいて投資がなされたのか。令和2年は補正予算による経済対策の実施など、さまざまな要因があったと思うが、当局の説明をお願いする。

当局<財政課>

  本県の投資的経費の決算額は自然災害の激甚化・頻発化を踏まえ、防災減災対策を強化しており、増加傾向にある。令和2年度は、地方財政計画の水準を基本とした事挙費を総額として確保した上で,計画的に事業を推進しつつ、「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」など、喫緊の課題に対する事業費を別枠で確保し,重点1内に事業を実施した。今後も、適正な投資規模のもと、県民の安全・安心と地域の活力を支える社会基盤整備等の投資的事業を着実に推進していく。


5.病院事業会計と新型コロナ対応について

関口

  病院事業会計の令和2年度決算において、新型コロナウイルス感染症の影響による大幅な減収に関し、診療報酬の増額や空床補償等により減収分は概ね補てんされたと説明されているが、入院収益、外来収益などに対し、どのような影響があり、どの程度の減収になったのか、診療報酬の増額や空床補償等がどのような内容でいくら補てんされたのか。また、特定の病院や診療科別の収益において特筆すべき点があったのか。当局の説明をお願いする。

当局<病院局>

  新型コロナウイルス感染症の影響により患者数の大幅な減少があり、病床利用者は13.3%、一日当り患者数は入院で15.8%、外来で9%減少したが、これらはコロナ患者の病床確保や受診控え、検査・手術の診療制限等の複合的な要因と考えている。
一方、診療報酬の臨時特例措置により中等症以上の入院患者の救急医療管理加算が5倍に引き上げられ、11億5.200万円の増収となったほか空床補償が段階的に拡充され,119億円の空床補償を受け入れた。コロナ患者を多く受け入れた病院の収支が改善し、特に耳鼻咽喉科、眼科、小児科、整形外科の患者数が大きく減少した。


6.国民健康保険事業特別会計決算について

関口

  令和2年度の国民健康保険事業特兄リ会計の歳入は5.203億円、歳出は5.030億円で収支は173億円のプラスとなった。歳出については、被保険者数の減少、新型コロナウイルス感染症の影響による受診控えに伴い、保険給付費が減少したことが挙げられているが、主な要因は何であったのか。また、最終的な収支は72憶円改善しているが、新型コロ口ナウイルスの影響によるものか。公費や支援金の増加によるものか。あるいは、兵庫県国民健康保険運営方針に基づき、地道に改善されてきた部分も含まれているのか。当局の所見を伺う。


当局く健康福祉部>

  収支が72債円改善したことについては新型コロナウイルス感染症による受診控え等の影響で保険給付費が前年比で136億円減少したことが最も大きな要因である。保険給付費は、ほぼ全ての年齢層で前年よりも減少しており、受診控えが広職囲に生じたものと考えられる。中でも未就学児の外来給付費は約3割減少するなど影響が顕著現れている。国保運営方針に基づく取り組みの収支への影響については、新型コロナウイルス感染症の影響等と比較して大きくはないものの、県は国保制度の責任主体として、市町と緊密に連携しながら、医療費適正化や健康作りに取り組んでいる。今後も引き続き安定的な運営ができるように努めていく。?


7.固定資産台帳と財務諸表の評価とその活用について

関口

  令和2年度決算の財務諸表が公表された。この財務諸表は、国において定められた「統一的な基進による地方公会計」に基づいて作成されたもので、県は平成28年度決算から、固定資産台帳の整備と複式簿記により,統一的な基塗に基づく地方公会計制度による財務諸表の作成、公表を行っており、今年で5年目にあたる。これまでの5年問の経年比較や類似団体間の比較を踏まえ令和2年度の財務諸表をどのように評価しているか。当局の所見を伺う。


当局<財政課>

  貸借対照表においては、コロナ影響による税収減対応として制度拡充した減収補てん債等の増加に伴う負債増の結果、純資産が減少し、行政コスト計算書ではコロナ対策経費により大幅な増となり随所で影響が見られた。経年比較では、純資産が5年間で450億円増加しているが、負債には交付税措蹴が見込まれる地方債が含まれている。本県と財政力指数等が近い9府県の類似団体間の比較では、住民一入当たり資産額の指標については上位に位置するものの、住民一人当たりの債残高の影響により下位に位置している。


関口

  固定資産台帳や財務諸表の活用については、総務省のホームページで多くの活用事例が挙げられている。遊休土地や未利用土地の売却、公会計と施設マネジメントの連携、受益者負担・施設利用料の適正化、予算編成への活用、施設別や事務事業別セグメント分析などがあるが‘固定資産台帳、財務諸表の活用に関する今後の方針について、当局の所見を伺う。


当局<財政課>

  財務諸表の活用状況としては、決算審査の補足資料として議会に提出するとともに,県ホームぺージに掲載し県民への情報発信を積極的に行っている。固定資産の活用状況としては、公共施証等総合管理計画に基づく老朽化対策の優先順位の判断や改修費の精査、また、利活用の調査や民間売却に向けた早期の条件整備にも活用している。各個別の事業や施設車位で発生主義によるコスト比較等を行うセグメント分析については、国でもモデル事業を実施している段階であり、今後とも先進事例や他団体の活用事例の情報収集を行い、新たな活用方法について検討していく。


8.会計年度任用職員制度の適正な運用について

関口

  会計年度任用職員制度は令和2年度より設けられたが、会計年度任用職員はさまざまな現場で行政活動を支える責重な存在であり、制度の適正な運用が肝要と考える。この制度の適正な運用のために総務省も通知を出しており、応募要件、勤務時間の設定、給与決定方法、年次有給休暇の付与や60歳以上の者の募集を制限しないこと。新たに期末手当を支給する一方で給料や報酬を削減しないことなど、ざまな項目が挙げられている。会計年度任用職員制度について、導入以降、適正に運用されているのか、当局の所見を伺う。


当局く人事課>

  会計年度任用職員は、正規職員の業務を補助する重要な役割を担っていると認識している。昨年4月からの制度導入に当たっては、改正後の地方公務員法の趣旨や国のガイドラインに沿った制度設計を行った。募集に当たっては任用回数や年齢を要件とした制限を行うことなく、報酬は職務内容責任、職務経験等の要素を考慮し、正規職員の給与との均衡を図り決定している。期末手当も正規職員と同様に支給している。休暇休業制度については、育児休業、介護休暇等を新たに整備し、夏季休暇等は正規職員に準じた取り扱いコロナ禍において、会計年度任用職員も在宅勤務を要施するなど、正規職員と同様に柔軟で多様な働き方を推進している。


9.内部管理の整備と運用について

関口

  地方自治法が一部改正され、令和2生4月1日施行として、都道府県は内部統制方針を定め、必要な体制を整備し毎会計年度、評価報告書を作成の上、議会に提出・公表することとなった県は令和2年4月より内部統制の整備、運用を始め、令和3年9月に最初の令和2年度兵庫県内部管理評価報告書を議会に提出・公表した。
この令和2年度内部管理評価報告書では、内部管理の重大な不備はなく、内部管理の不備は整備状況の評価で0件、運用状況の評価で118件と記載されているが、不備の内容とその改善、評価手続き等についてどう判断しているのか、これらを踏まえた今後の内部管理の整備・運用の方針についてどのように考えているのか、当局の所見を伺う。


当局<会計管理者>

  制度上、重大な不備と定義される、不正行為や回収・返還不能で実損が生じる不適正支出はなかった。不備には、契約保証金の取り忘れのほか複数の職員によるチェックが不十分なことに起因するものなども多いことから、出納局から各所属に対して改めてチェックの強化等の指導を行い、改善が行われた。課題としては、定期的な監査や出納局の会計指導等、外部指摘がが起点にとなるケースが多い。結果、その指摘に沿う形で評価も整理できてしまう。各部局長が責任者、各所属長が推進員に位置付けられるが、形骸化していないかとの指摘もある。一担当者の誤りではなく、部局自らの1年を通じたリスク管理を徹底していきたい。
知事をトップとした推進体制のもと、リスクの識別・分析等に加え、PDCAサイクルを有効に機能させ実効性のある制度運用に努める。




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