金沢副知事に渡した令和3年度当初予算編成に対する重要政策提言
現在、世界中で新型コロナウイルス感染症が蔓延し、これまで当たり前と考えてきた生活そのもを見直す必要に迫られています。そのためにも県の役割は非常に重要であり、令和3年度においは、新型コロナウイルス対策と、元の通りに戻すのではないポストコロナ社会を見据えた当初予編成が必要になると考えます。
第1に、さらなる感染に対応した新型コロナウイルスへの十分な対策を講じることが必要と考えす。PCR等の検査体制の拡充、症状に応じた入院病床の提供、軽傷者・無症状者を療養する宿施設の拡充、ワクチンの確保、公平な配分方法の決定など、今後さらに深刻化するかもしれない感染に備えた新型コロナウイルス対策を進めることが必要と考えます。また、やむを得ない場合は緊急事態宣言の発出が再度必要とは考えますが、全面的な活動自粛を避けながら、いかにきめ細かく経済のかじ取りを進めていくかも重要と考えます。
第2にこのような新型コロナウイルス感染症へ県民の関心が集中する中で、残念ながら議論されことがあまりありませんが、人類にとって、より危機的で早急な対策が必要である気候変動に対て、早急な対応を進めることが必要と考えます。
今年度、新型コロナウイルス感染症の蔓延による経済活動の減少によって、世界での二酸化炭素出量がいったん減少することが見込まれていますが、これがもと通りに戻ってしまうことは避けければなりません。ヨーロッパを中心にグリーンリカバリー(緑の回復)が提唱されていますが、新型コロナウイルスから回復する上において、元に戻るのではなく、失われた雇用を新たな分野で出し、脱炭素社会を一気に推し進めるグリーンリカバリー(緑の回復)を進めるべきと考えます。
令和2年度には兵庫県地球温暖化対策推進計画の見直しに合わせて気候変動の長期的な戦略が計画に盛り込まれることになっています。最低限、IPCC特別報告書が求める2030年45%削減の達成と2050年ゼロエミッションを目指し、これまでの枠組みを超え、脱成長シナリオ、少子化、一人当たりエネルギー需要、総需要の削減、消費の削減、肉食、食品ロスの削減、ライフスタイルの変革等にも踏み込んだ、広範囲で網羅的で野心的な推進計画の見直しを期待していますが、令和3年度は、この推進計画を達成するための活動を具体的に進めていくにあたり、非常に重要な開始年度にあたるため、県民の危機意識を醸成し、全力で脱炭素に向けた行動を開始するよう、県として気候非常事態を宣言した上で、進めていくことを求めます。
第3に、新型コロナウイルスの影響により税収の減少も見込まれる中、新型コロナウイルスへの対応とポストコロナ社会の体制づくり、及び、それと合わせて、気候変動への取り組みの観点から新型コロナウイルス感染症の発生以前、また、地球温暖化対策推進計画見直し前に策定した、兵庫2030年の展望とリーディングプロジェクトの基本的な施策、事業について、内容、優先順位を再編成すべきと考えます。
第4に安心安全な県民生活のために継続して取り組んでいくべき施策、事業については、着実に進めていくことが必要です。
以上の4つの観点から、重要な施策として以下の項目を提案します。知事におかれましては、令和3年度当初予算編成にあたり、これらを最大限に取り入れ、その実現を目指す県政を推し進めていかれるよう、強く申し入れます。
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